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特別支援学級とは 進路状況や通級等との違い

1. まずは特別支援教育を知る

通級や特別支援学級等での学びは、平成19年4月施行の特別支援教育において推進するよう規定されています。では一体、特別支援教育とは内容かご存知ですか。また何人くらいの児童生徒がそこで学び、卒業後の進路状況を知っていますか。まずは背景にある制度を理解していただき、通級や特別支援学級、特別支援学校の違いを知って下さい。

特別支援教育の構図

1-1. 特別支援教育の考え

子ども一人ひとりの教育的ニーズにこたえる

子どもの可能性を最大限に伸ばすことを目指す

特別支援教育は「学校教育法」に基づき、自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援する考えのもとおこなわれています。実施は特定の障害に留まらず、特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒が在籍する全ての学校となります。

【特別支援教育】のイメージ

多様な学び場

+

小人数の学級編成

+

特別の教育課程

適切な指導・支援の実現

特別支援教育の理念には、個々の違いを認識した共生社会の形成が掲げられています。方向性としては全ての児童生徒ができるだけ同じ場で共に学ぶことを追求すると共に、個別の教育的ニーズに対応できる基盤の整備にあります。

1-2. インクルーシブ教育

障害のあるなしに関係なく可能な限り共に学ぶことであり、実現するために「教育制度から排除されないこと」「必要な環境が整備されていること」「合理的配慮が提供されること」がポイントとなります。共に学ぶことは、ただ同じ環境に身を置くの意味ではありません。各々の児童生徒が授業内容を理解し、参加実感や達成感を持ち、充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けているかが大切です。

就学先決定の仕組みは、平成25年の制度改定により、障害の状態や教育的ニーズ等を踏まえて【総合的な観点】から決定されることとなりました。また就学先決定後も柔軟に見直しが可能です。

1-3. 合理的配慮

障害者差別解消法に記されており「合理的配慮」とは国・都道府県・市区町村等や会社等の事業者に対して、障害のある人から何らかの対応を求められた時に、負担が重すぎない範囲で対応(事業者は努力義務のみ)することです。障害特性のある児童の場合、他の児童と平等に「教育を受ける権利」を確保する配慮が提供されることとなっています。具体的には「施設・設備の整備」「支援員等の確保」「一人ひとりに合わせた教育課程の編成や教具・教材の確保」等があげられており、学校等と本人・保護者による合意形成での決定が望ましいとされています。

各自治体で予算等が異なりますので、配慮を必要とする場合は可能な限り早く話し合いの場を設ける方が好ましいです。

1-4. 特別支援教育を受けている者の数

平成29年度調べ  特別支援教育を受けている者:487,013人(幼児児童生徒総数の3.2%)

特別支援教育を受けている生徒児童数の割合

2. 特別支援学級を含めた各教育の特徴

就学時や進路検討における選択肢

配慮を受けながら通常学級

通常学級+通級指導

特別支援学級

特別支援学校

2-1. 通級指導とは

概要:各教科の指導を通常学級で学びつつ、特性に応じた必要な指導を別の場で受けられます。

対象:言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害、注意欠如多動性障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱に該当する児童。

教育課程:通常学級の教育課程に追加するか、一部を替えた特別の教育課程を編成します。小・中学校では1週間に1~8コマ(週1コマ利用の児童が53.3%で、週2コマ利用の児童が33.2%)が標準で、高校は年間7単位以内としています。

指導内容:【自立活動】に相当する指導で、学習上又は生活上の困難を改善・克服するための知識、技能、態度、習慣を養います。特別に必要があるときは各教科の内容を取り扱うことができますが、学習上の遅れを取り戻す指導にならないようしています。

学級編成:13人に1人の教員を措置。地域によって異なりますが、個別指導とグループ指導があります。

実施形態:自校通級、他校通級(他校で指導を受ける)、巡回による指導(通級指導者が対象児の学校に赴く)。

平成29年度調べ

通級指導教室設置校数:5,283校(小学校4,399校、中学校809校、特別支援学校75校)

通級指導を受けている児童生徒数:108,946人(全児童生徒数の1.1%)

自立活動

自立活動とは心身の発達基盤を培うことを目標にしており、学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服しようとする取り組みを促す教育活動です。活動区分は「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」「コミュニケーション」に整理されています。

2-2. 特別支援学級とは

概要:障害種別ごとの学級が編成されており、子ども一人ひとりの特性に応じた教育を受けられます。また児童生徒の学習状況に応じて、特別支援学級のみでなく普通学級で学ぶ交流もおこなわれています。

対象:知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害に該当する児童。

教育課程:基本的には小・中学校学習指導要領沿いますが、実態に応じて特別支援学校の学習指導要領を参考とした【特別の教育課程】を編成できます。具体的にいうと学年毎に定められた教科の指導内容に捉われず、本人に適した指導を受けられます。

学級編成:1学級8人が上限(児童生徒の特性で異なりますが、実情は8人以下の学級が大半です)

平成29年度調べ

特別支援学級設置小学校数:16,315校(全小学校数の81.2%)

特別支援学級設置中学校数:7,907校(全中学校数の76.6%)

特別支援学級設置義務教育学校数:40校(全義務教育学校数の83.3%)

特別支援学級在籍児童生徒数:236,123人(全児童生徒数の2.4%)

※中等教育学校の特別支援学級は存在しない

特別支援学校学習指導要領

特別支援学校指導要領には、特別支援学校の教育課程基準が記されています。各教科の取り扱い等は「小学校学習指導要領」に準ずるものですが、各障害特性に対する配慮事項が示されています。

※配慮事項例

①触覚教材、拡大教材、音声教材等の活用を図るとともに、児童が情報機器等の活用を通して、容易に情報の収集や処理ができるよう工夫する。

②音声、文字、手話等のコミュニケーション手段を活用して、意思の相互伝達がおこなわれるように工夫する。

③身体の動きや意思の表出の状態等に応じて、補助用具や補助的手段を工夫する。

④病気の状態等を考慮して、学習活動が過重負担にならないようにする。

知的障害に該当する児童に対しては各教科の目標と内容を3段階形式で記し、指導する際は具体的な内容を設定するものとしています。

重複障害に該当する児童に対する教育課程の取り扱いでは柔軟な対応が可能となっており、教科内容等を替えたり取り入れることができます。

2-3. 特別支援学校とは

概要:支援の必要性が高い児童に対して、特別支援学校にて専門性の高い指導が受けられます。

対象:視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱に該当する児童。

教育課程:各教科等に加えて【自立活動】の指導があり、児童生徒の状態等に応じた教育課程を編成できます。

学級編成:1学級につき小・中学部6人、高等部8人が上限(重複障害の場合は1学級3人)。

平成29年度調べ

視覚障害校数:82校

聴覚障害校数:116校

知的障害校数:776校

肢体不自由校数:350校

病弱校数:149校

特別支援学校幼・小・中・高等部在籍数:141,944人(総数の0.9%)

3. 特別支援学級等卒業後の進路状況

3-1. 中学校特別支援学級卒業者の進路状況

平成29年度の中学校特別支援学級卒業者数は21,132人

進学者:19,904人(94.2%)

※円グラフの「高校等」とは高等学校、中等教育学校、高等専門学校になります。

教育訓練機関等入学者:465人(2.2%)

就職者:176人(0.8%)

その他:586人(2.8%)

中学校特別支援学級の進路状況

3-2. 特別支援学校中等部卒業者の進路状況

平成29年度の特別支援学校中等部卒業者数は10,500人

進学者:10,342人(98.5%)

教育訓練機関等入学者:23人(0.2%)

就職者:7人(0.07%)

福祉施設等入所・通所者:52人(0.5%)

その他:76人(0.7%)

特別支援学校中等部の進路状況

3-3. 特別支援学校高等部卒業者の進路状況

平成29年度の特別支援学校高等部卒業者数は21,292人

進学者:396人(1.9%)

※円グラフの「専攻科」とは特別支援学校高等部専攻科、高等学校専攻科になります。

教育訓練機関等入学者:381人(1.85%)

就職者:6,411人(30.1%)

福祉施設等入所・通所者:13,253人(62.2%)

その他:851人(4.0%)

特別支援学校高等部の進路状況

4. 通級や特別支援学級、特別支援学校の選択

どの教育を選択するかの前提として、お子さんを含めた【ご家族の考えが優先】されるべきで、時代変化に伴い多様性が認められつつあり、法律的にもそれが定められているからです。この場合の大切な点は、お子さんとご家族が満足して教育を受けているかであり、満足度は他者から評価されるべきではありません

普通学級と特別支援学級の選択ですが、私的な基準としては学力を中心とした学習する力コミュニケーション・社会性のバランスをみて選択するべきかと考えています。児童が学校について悩みを抱える要因には、学力不振や人間関係が上位に挙げられており、お子さんが不適応を起こす要因となります。乗り越えらえる悩みや葛藤なら経験しても構いませんが、本人の持っている特性から発生する不適応さは解決が難しく、自己否定感を強めることから不要です。また過敏さや不安が強い児童の場合は「集団生活」をどう感じているのか本人に尋ねつつ、進路選択を進めてはいかがでしょうか。

特別支援学級と特別支援学校を選択する際の基準は、お子さんに対して自立活動の時間を多分に費やす必要がある場合と考えています。一人ひとりのお子さんが自分のペースで成長し、将来豊かな生活を送る際、自立度が高い方が本人に対して多くの自由を提供できます。一人で買い物をしたり、好きな食べ物を作ったり、自分のペースでお風呂や排泄をすることは、自立しているから実現できます。

特別支援学級から普通学級への変更や、特別支援学級から特別支援学校への編入も可能ですので、もしも就学や進学で迷われる際は、地域の相談窓口をご利用してはいいかでしょうか。

5. 発達障害に該当する児童の割合

発達障害(LD・ADHD・自閉症等)の可能性のある児童は、全児童の6.5%程度といわれています。ただしこの数値は、平成24年に文部科学省が行った調査において学級担任を含む複数の教員により判断された回答に基づくものであり、医師の診断によるものではありません。

医学的診断基準にはWHOの国際疾病分類(ICD)が使用されており、また世界的にはAPAの精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)が浸透しています。

6. 関連ページ

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