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自閉症とは 特徴や当事者の思いを知る

自閉症は、スペクトラムと呼ばれる「連続体や範囲」で捉えられています

一般には自閉症で知られていますが、現在はアスペルガー症候群等を統合した【自閉スペクトラム症】の名称に変更されています。

特性としては「コミュニケーション・対人関係の不得意さ」「行動・興味・活動に対する反復や固執等」が挙げられ、特性の強さに個人差があることを理解して下さい。

1. 対人関係の特徴

1-1. 対人関係の偏りが強いケース

求めている時だけ関わって欲しい

自閉スペクトラム症の特性が強い場合は、対人関係のあり方が異なり、雑談等の会話を邪魔と感じたり、一人でいる時と変わらない行動を取ります。

自ら関わりを求めてくる状況としては、玩具やお菓子が欲しい時の欲求場面、不快と感じる物事(認知の偏りがあるので、一般的には不快とならないことでも不快を感じる)への回避場面等です。

興味のあることや楽しいことでの関わりは嫌いでない

手を繋がれてトランポリンに乗ったり、ブランコ遊びで背中を押されることは、当事者が興味を持っていれば受け入れ可能で、肯定的な関わりを持つ機会となります。

知的能力が高い児童に対しては、鉄道やゲーム等の関心がある話題を提示することで、対人関係を深める機会となります。

自閉スペクトラム症の子供と関係を築く際は、本人が好む遊びや興味を探し、量より質の関わりを持つと喜ばれるはずです。

1-2. 対人関係で躓くケース

友達が怒っているけど理由は分からない

自閉スペクトラム症の特性が弱い場合は、友達等との関係を求める反面、対人関係で躓きをみせることがあります。

躓く理由として、彼らは相手の感情や状況理解が分かりづらい特徴を抱えており、一方的に話し続けたり、偏った内容の会話を続けてしまうからです。又、場面にそぐわないことを言ったり、杓子定規な発言を繰り返すこともあります。その他、冗談の理解が難しく、空気が読めないとラベルを貼られたりもします。

悪いことはしてないはずだけど

対人関係の難しい点は、コミュニケーションに偏りがあっても、相手が受け入れていれば問題となりません。反対に、些細な偏りでも相手が不快と感じた場合、良好な関係を築くことが困難となります。幼児期の子供達は、友達との関わりで嫌なことがあっても、仲間外れを頻繁にはおこないません。しかし、学齢期以降の児童は、些細な違いに敏感となり、距離を取られます。

自閉スペクトラム症のお子さんが友人関係を構築・維持するには、違いを気にしない児童との共存が求められます。

2. 遊びや余暇の特徴

同じ遊びをずっと続けることは楽しい

自閉スペクトラム症の子供は、繰り返し同じ遊びする特徴があります。

大人側からみると「大丈夫?」と思ってしまいますが、本人達によると問題ないとの話です。彼らは特定の物事に興味・関心を持つ傾向で、一般と比べて遊びが偏ります。大人から遊びに幅広さを求められて、受容できる子供もいますが、退屈や苦痛を感じている場合もあるので注意して下さい。

周囲のスタンスとしては、日常生活に支障がない範囲で、本人の選好性を大切にして頂きたいです。

ごっこ遊びって何をすればいいの

幼児期の代表的な遊びとして「ごっこ遊び」があり、自閉スペクトラム症の子供が苦手とする遊びでもあります。

ごっこ遊びは、誰かや何かの真似を楽しむ、即興的な想像で遊びが成り立ちます。しかし、玩具遊び等の明確な遊びを得意とする彼らにとって、即興的な想像は難しく、遊びの楽しさも見い出しづらいです。更に、友達を交えたごっこ遊びに発展すると、他者と想像を共有するので、遊びの難易度がぐっと増します。

新しいことをしたいと思わないし、むしろ不安になる

初めての体験を「どう感じるか」は、人それぞれ違います。同じ体験をしても、ある人は不安を覚え、ある人は緊張を楽しめるという個人差が生じます。

自閉スペクトラム症の子供は、物事の捉え方に偏りがあり、遊びや余暇であっても、強い不安や緊張を感じる場合があります。

新しいことを始める際は、情報を事前に伝えたり、写真や実物の手掛かりを提示し、本人が安心できるよう配慮して下さい。

3. 食事で見られる偏食等の特徴

僕の食べたい物は限られている

自閉スペクトラム症の児童の中には、食事に対して、強い拒否やこだわりをみせる場合があります。嫌がる要因は、一般にみられる敏感さや味覚の問題だけでなく、以下のことが考えられます。

食材一つひとつの色、形、堅さ。食材同士の混ざり方。食べる順序。食材の匂い。使用する食具。食べる席や場所。

不快なく食べる糸口を探るには、何が好みかを知るだけでなく、何を苦手としているかも把握するべきです。

学齢期には偏食が減る傾向

児童の年齢が上がるにつれて、本人の嗜好も変化し、今まで食べていた物を拒む場合も起こり得ます。自閉スペクトラム症偏食に関しては、学齢期を含めて長期で取り組むことが大切で、少しずつ食べられる食材の幅を広げて下さい。

日常的に食べている食品の種類は、国々で当然異なり、食べなけらばならない食品の定義はありません。ただし、最低限の栄養摂取と健康状態は、配慮して下さい。

過敏さ味覚について

子供の口唇や口腔は、非常に過敏です。舌には味蕾と呼ばれるセンサーがあり、成人期には減少していることが知られています。大人になると苦手な食べ物が減る要因の一つに、この味覚の鈍感さが考えられています。又、子供の嗜好は、苦味の強い野菜類や酸味のある果物類を苦手とし、甘味のある食べ物を好みます。

4. こだわりや感覚の特徴

気になる物を目にすると、近寄らずにはいられない

自閉スペクトラム症の代表的な特性に、反復や固執があります。一部分の映像を繰り返しみたり、エレベーターをみると走り出したりと、こだわり方は様々です。

コミュニケーション場面においては、同じ質問、同じ会話を何度も続ける児童がいます。一方的に、同じ言葉を言い続けるケースもあります。

知的能力が高い自閉スペクトラム症の場合は、急なスケジュール変更、普段と異なる状況を受け入れる際、強い嫌悪感を覚えるそうです。

音や光、温度の変化が苦手 

聴覚の過敏として、大きな音全般に不快を示す例や、特定の音のみに反応するケースがあります。

光に対して、強い照明を苦痛と感じたり、夜のネオンに過敏さをみせる場合があります。

その他、些細な気温変化が苦手で、居ても立っても居られない状態となる子供がいます。

 「我慢できない」とは違う

大人の視点に立つと「抑制してもらいたい」と考えますが、こだわりや過敏は自閉スペクトラム症の特性なので、やみくもに我慢させても効果的ではありません。言語化ができる学齢期の児童によると「急に予定が変わると落ち着かなくなる」「触りたくて仕方ない」「その音はなんかダメなんだよね」と教えてくれます。

当事者への配慮として、こだわりを示す対象を避けたり、スケジュール表を用いて予定変更を伝えたり、過敏となる物は排除することが大切です。

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