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ADHDとは 対応を知って自尊感情を高める

ADHDは注意欠如・多動症のことです

ADHDとはAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略称で、不注意多動性・衝動性のどちらか、又は両方を抱えた症状です。

不注意や衝動は頻度に違いがあれど、どの児童にもみられる行動です。

しかし、ADHDに該当する場合は、症状が家庭や学校等の多様な場所・状況で発生していること、日常生活や学習等に困難を及ぼしていることされています。

1. 不注意とは

よく忘れ物をする。でも自分では気付けない

ADHDにみられる特徴として、物忘れがあります。必要な持ち物をランドセルに入れ忘れたり、持ち帰るべき物を教室の机に入れたままであったり、消しゴム等の筆記用具を無くすことは、不注意の特性から起こります。

顕著な例では、机の上に物が置いてあるにも関わらず、その状況に気付けず、片付け忘れる場合があります。

どの設問を解いていたか、度々分からなくなる

ADHDの特性は、学習面にも影響を及ぼします。文章を読む際に、文字の読み飛ばや、注意が途切れて文章を最後まで読み込めない子供がいます。

文章問題の答えを文中から探す際も、注意を向ける速度や正確さが乏しい為、解答探しに時間を費やす場合があります。

テーブルの上が物だらけ。気付くと作業がやりづらい

顕著な不注意は、作業面に困難を生じさせます。

調理を例に挙げると、開始時は包丁とまな板しかなかったにも関わらず、次第に調味料や食材が散乱し、終いには不要な調理用具が作業台に置かれた状況となります。

その上、自分がまとまりのない状況で作業をしていることに気付けず、作業効率が滞っているケースもあります。

併せて、即興的な作業の順序立てが不得意で、どの順序で進めるかを尋ねると、返答が曖昧だったりします。

2. 多動性・衝動性とは

席を立ったり出歩いたりと、同じ場所に留まらないのが僕のスタイル

ADHDの特性として、多動が挙げられます。図書室等で過ごす際、短い時間の中で、繰り返し席を立つケースがあります。

本を読んでいる間も、姿勢が頻繁に変わり、手足をもじもじさせたりします。

思い立ったら即行動。他人から見たら失敗や苦労も多いけど

衝動は子供だけでなく、大人にもみられる行動です。

例として「手順を考えてから取り組んで下さい」と言われているにもかかわらず、即座に作業をおこなう人がいます。この即座におこなう頻度が、ADHDの場合は高頻度となります。

思ったことはすぐに言いたい。後先は気にしない

顕著な衝動性は、コミュニケーションにも影響を及ぼします。

グループディスカッションでは、他者が質問を投げ掛けている途中にも関わらず、自分の意見を言い出し、相手の言葉を繰り返し遮ってしまうケースがあります。

3. 二次障害と肯定的な一面

いつも大人から叱られて、嫌だな

ADHDの児童は、叱られる頻度が多く、否定的な対応を受ける傾向です。

日常生活では「急に動いたら危ないでしょ」「なんで勝手にやってしまうの」と怒鳴られたり、学習面では「見落としてる」「さっきと同じ順序で解くの」と責め立てられます。

周りが僕を迷惑と思っているのは、なんとなく感じる

周りの友達からは「なんかあいつ変だよ」「こっちの話をいつも聞かない」と言われてしまいます。

当事者からすると嬉しくないのは当然ですし、否定的な感情を向けられているのは推察できるので、なんともいえない気持ちとなります。

ADHDの肯定的な言動

ADHDの特性は、状況次第で、肯定的な言動として捉えられることが可能です。

複数の選択肢があり、かつどれを選んでも支障がない場合は即決できます。

皆が、不安を感じて躊躇する場面でも、真っ先に取り組んで周囲を驚かせます。

初対面の人に積極的な言葉を向けられ、結果として距離を感じず他者と会話ができます。

4. ADHDを抱える児童への対応

注意への対応

ADHDの児童が落ち着いて学習をするには、外部からの刺激量を減らすことが知られています。テレビや玩具を視界から消したり、不要な雑音を取り除くと集中しやすいです。

子供の注意が学習から逸れる時、大人側は、静かに指差しや頷きをしましょう。刺激の少ない対応を心掛け、さり気なく、注意を学習へ戻すことが大切です。

学校では、前列や端側、静かな児童のそばに席を設ける工夫が好ましいです。並行して、教師が児童の不注意に気を配り、全体に向けた声掛けを用いて、対象児の注意をコントロールする支援もおこなえます。

不注意から、物の用意や片付けを忘れるケースでは、物の設置場所に印を付けることで、視覚的に分かりやすくします。

事前に順序立てをする対応

ADHDの児童の困りごとを減らすには、事前に順序立てをして対応しましょう。

作業等する際、まずは当事者の考えを話してもらいます。述べた考えを他者と修正し、適切な順序をイメージします。

実際の作業中に手順が曖昧となることを想定して、メモやホワイトボードに順序を記し、活用することも有効です。

時間管理が苦手なケースでは、時間配分を予め決めておくスケジュール化により、目安を付けて取り組めます。

自尊感情を高める対応

ADHDの児童は、咎められる頻度が多く、自尊感情の低下を含めた二次障害へ発展する傾向です。二次障害を防ぐには、当事者の「強み」を認める肯定的な対応が求められます。

まずは1日1回、お子さんが適切な行動を取った時に、褒めて下さい。過剰に褒めなくとも大丈夫です。短い言葉を向けるだけでも、肯定感は受け取ってもらえるはずです。

ADHDへの対応を深く知りたい方や、お子さんの欠点探しがクセとなっている保護者さんには「ペアレントトレーニング」をお勧めします。彼らの行動を、どう受け止めるべきか学ぶ機会となるはずです。

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